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①アリストテレスの愛の観念

愛の観念について書いてみようと思います。一言で「愛」といっても人によってそれぞれです。今回は昔の人が愛についてどんなことを考えていたのか書いていこうと思います。

 

今回ご紹介するのはアリストテレスです。アリストテレス古代ギリシャの哲学者でプラトン(プラトニックラブ)の弟子の哲学者です。

アリストテレスは利他への愛か利己への愛かというよりも何を善とするかに注目したようです。彼は愛を「互恵性があり、相手の善を願っていて、それをお互いに知っていること」と定義しました。愛にもいくつか種類があって、最高の愛には最高善の定義をもとにして「相手を手段としないこと、自律して欲望を制御していること」という条件をつけました。

 

世間では愛によって他人に尽くす自己犠牲をよく推奨しますが、先の条件から、アリストテレスの倫理観では、相手を手段化している場合、動機が欲望である場合や、自律せずに相手に隷属するもしくは相手の自律を認めず隷属化させる場合は、いくら自己を犠牲にしてもそれは愛とはいえないというわけです。欲望とは、自己を確保し、安全化し、肥大化させようとする営み、つまりは自己を救おうとすることだと定義できるそうです。また、自己犠牲とは、他者を支配し、利用し、物化しようとする権力意志の可能な限りでの否定に他ならないということです。なので、アリストテレスの倫理観では欲望に従い己を律することのできないものの愛や自己犠牲は害となりうるといえます。

 

「愛」といっても人によって様々ですから、抱く「愛」によっては苦しい状態になってしまうかもしれないですね。

 

主に以下の著作を参考にしました。

1.岩田靖夫 『アリストテレスの倫理思想』 岩波書店、1985年。P290,291,292,293,294,297,323,326.

2.アリストテレス高田三郎訳 『二コマコス倫理学(上)』 岩波書店、1971年。P58,69-73,90,91.133

3.アリストテレス高田三郎訳 『二コマコス倫理学(下)』 岩波書店、1973年。P70,126,130,167-174.