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③仏教の愛の観念と親孝行

今回は前回ご紹介した「仏教の愛の観念」を発展させて、親孝行との関連性についてもご紹介します。

 まず、重要なことは、「親孝行」というのは仏教ではなくて儒教の思想です。この点、勘違いしている日本人が結構います。日本仏教をやっている人で親孝行の重要性を語る人がいます。もしかしたらインドで興った仏教が北上し、中国を経由して日本へ入る過程で、儒教の影響を受けたのかもしれません。

 儒教の開祖は孔子という人です。孔子の時代の中国はさまざまな国が争っていて政治が不安定でした。孔子は政治家になって、平和な世の中にしたいと考えていたようです。

子女は男(家父長)に仕え、男はその上の君主に仕え、君主は王に仕えるとすれば国はきっと安定する、そう孔子は考えて親孝行という思想をつくったのでしょう。つまり、親孝行は人を幸福にする思想ではなくて、政治的な思想であるともいえます。 

中国では子が親に逆らうことはいけないことで、例え悪い親でも従わなくてはなりません。しかし、それに反論した人もいます。例えば後漢王朝の仲長統という人は、よろしくない親に従わずに、子が自分にとって本当に良いことは何か考えて行動してもよいと言っています。 

以上の見解は主に以下の文献を参考にしました。

串田久治 『儒教の知恵』 中公新書、2003年。