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③母性という幻想 甘えの構造

日本は母性社会だ、とよくいわれています。

母性社会日本の病理 (講談社+α文庫)

今回紹介するのは、土居健郎さんの「甘え」の構造 (1971年)です。土居さんによると、「甘える」という言葉は日本語にしかなく、当然のように相手の好意を期待し、また期待されたほうもそれに応えるが、もしそれが裏切られたときすねたり、ひがんだりという反応が生じるといいます。他者依存の感情ですね。

イメージとしては子どもがお母さんに甘える、という様子が想像できますが、私が今回書きたいのは、お母さんも母性に依存しているということです。

お母さんになることによって、立派な大人だとみなされるわけですし、子どもを育てるという自分の存在意義も確立されます。そうすると、一部のお母さんは、母性に依存してしまう、母性に甘えてしまう、自分の人生は自分で切り開くんだという自律性がなくなってしまう。結果、子どもに甘えてしまうという状況になってしまうのです。