内観技法とアダルトチルドレンのカウンセリング
内観法について
内観とは、日本生まれの技法である。
主に母親を中心に
- していただいたこと
- 迷惑をかけたこと
- してあげたこと
を思いだし、面接者に話す。
内観が終わったあと、いかに自分が母親を中心とした人々から愛されていたか感涙するのが典型である。
この技法のおもしろいところは、西洋のカウンセリングとは真逆だということだ。西洋、特にアダルトチルドレンのカウンセリングは
- してもらえなかったこと
- 迷惑をかけられたこと
- されたこと
をカウンセラーに話すのだ。
両方に欠点がある。内観の欠点は、この技法が良心を前提に成り立っていることだ。世の中の全ての親は善良で欲望がなく慈悲深いという前提がある。これは大乗仏教にも共通していることであるが、虐待はないことになっている。だから、たとえひどい虐待を受けたとしても親に感謝しろ、ということなのだ。子どもに依存し、感謝・恩を要求する親の子どもには向かない。
アダルトチルドレンのカウンセリング技法の欠点は、してもらえなかったことは底無し沼だということだ。有限のしてもらったことに対して、思い付けるだけ、してもらえなかったことは無限にある。だから、クライアントは一生カウンセラーのもとで愚痴を言い続けることになり、本質が改善されぬままカウンセラーが儲かる。これは、クライアントは成長なしに、欲望を発露し、消費しているだけである。
私は上手く両方を折衷したら良いカウンセリングになると思う。その手順は…
- 衣食住について親に感謝する
- 親の至らなかった点を考える
- 今自分のできることを考える