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余裕のないシステムが毒を産む

個別指導塾で指導していた時の話。

私が勤めていたのはM光義塾という3人同時に教える個別指導塾。もちろん先生は全員大学生またはフリーターのバイトである。また、経営はコンビニのフランチャイズと同じである。 この3人同時に教えるというシステムは、教育的にはアレでも経済的、営利的には効率が良い。そして、担当性でないのでとても気楽であった。だが、 3人同時に教えるのでとても忙しい。たから、この塾を例えるならば"コンビニ"なのだ。私は、そんな中でもより良い指導ができるよう手際の工夫をしていた。

このシステムの欠陥は、人を製造業のロボットのように考えていることである。つまり、"授業をする"というよりは"授業をまわす"のだ。だから、相手の子どもが"平均的な"子どもよりできない子どもであったり、小学生だったりするととても手がかかるため、授業が"詰む"。正直、一人の中3の全くできない子どものために一年生の基礎から教えたり、小学生に寄り添ったノート指導なんてしていられない。他に二人生徒がいるからだ。

私は子どもがノートを忘れようが、寝ようがいつも冷静に対処していたのだが、授業が"詰んだ"場合は、冷静さを失ってしまうことがある。それで、一人の小学生の前でイライラしてしまったことがあった。申し訳ない。

ある日の朝、公園で休んで落ち込んでいたら「先生、おはようございます。」と、その子が声をかけてくれた。そう、私は格好だけ、"先生"なのだと意識するのと同時に、とても奇妙に思った。

これは、毒親問題と通じているのではないかと思う。経済的効率を追求するシステムは、家族にも浸透しているからだ。